つれづれと

色々なことを書く

銀魂をふざけた漫画だと思っている人間に怒っているが

銀魂をふざけた漫画だと思っている人は銀魂を読んだことがないか読解力が乏しい。

とんだ暴言から始めるがまあ私は怒っている。

銀魂は真面目な漫画だ。空知先生も真面目なお人で作家だ。差別を容認するために愛する漫画と作家を引き合いに出されるなんてまっぴらごめんだね。

集英社の対応も堀越先生の対応も真摯で誠実なものだと思う。折角考えたものがふいになるのならまた考え出すしかない。創作と現実世界の人間を比べたら生きている人間の方が大事に決まっている。何かを決める時にだって決めきる前に慎重に誠実に選択した方がいいが、何も不変な止まった世界じゃないんだからまた新しく決めて変えなきゃいけない時もある。変えて新しくできるだけまだいい。過去じゃないことの証明だ。止まっていないことの証だし、それは生きているということでもある。大体外野がとやかく言ったところで野次馬くらいにしかならない類の話である。表現に読者から指摘が入って、制作者と販売元が話し合って相談した結果、変更することにしたというだけの話である。その一件でどれくらいの不利益を我々が被ったであろうか。不機嫌になった? 大人なら自分の情緒くらい自分で対処したまえ。まあ怒ってこれを書いている私が言えたことでもないな。ただ間違いや失敗は誰にでもあって、それに真摯に向き合って真剣に対応した人間に向かって間違ったこと自体を責めるのは優しくない。それで人格否定を言われる筋合いもない。堀越先生、ゆっくり休まれてご自愛ください。先生の描かれる漫画が大好きです。

だから外野でゴタゴタ続けるなら勝手に続ければいいが、正当性のないゴタゴタに自分以外を巻き込むのは端的にいって恥晒しではないか。露悪をしたいなら露悪をする自覚を持って線引きして行動しろ。民族差別も人権侵害もいい大人が越えていい一線じゃない。教養があればそれくらい判るだろう。他人がどうかではなく、自分が自分に対して恥ずべき行いをしていないかどうか逐一問う。無粋な人間でいないか考える。自分の美意識を持ちながら生きる。自分の美意識を問い続けながら生きる。美しいひとであることを諦めない。馬鹿みたいな理想を持って生きることを決して諦めない。ひとの尊厳を護らないで生きるなんて死んでいるみたいなもんだ。私はこの価値観を『銀魂』に教えてもらったんだ。だからまったく真逆の差別的発言をするために銀魂とそれを描いてくれた空知先生の発言を持ってくるんじゃねぇ。侮辱だそれは。空知先生はそれが誰かの尊厳を傷つける言葉かどうかちゃんと考えて言葉を選んで書いたり描いたりすることのできる人だ。そりゃ間違えたりどうかと思うような時もあるけど少なくとも言葉の力をしっているし信じているし考え続けることを放棄するようなお人じゃない。学び続けている人だ。お前らの薄っぺらで自分勝手で鈍感な価値観を語るために利用していい人じゃないし同じ次元に立ってる人でも見下す次元に立ってる人でもない。銀魂はそんなふざけた話をする時に利用していい作品じゃない。そう思ってるのはお前の解像度が低いからだ。おいきいてるか福田(突然の実写監督への飛び火)。*1 

話題がずれた。ともかく何かと真剣に取り合われない漫画だけど、あれは本当に凄い漫画なんだよ。

凄い真面目に色んな歴史や史実や時事や技術を調べてその上で繊細な感性のもと描かれた作品なんだ。

だから、フィクションが現実と相互しあっていることもちゃんと知ってる。解ってて描かれてる。

フィクションだから歴史を無視していいなら創作の力を信じていないのと同義だ。

恥をさらして生き続けるのも結構だが自己の欲求ではなく自分自身を大事にしないと損なわれるのは自分自身の方だ。

現実の深刻な話は茶化さずに深刻に受け止めて真剣に考えた方がいい。

下品に見えても根っこは高潔であった方がいい。銀魂のキャラはみんなそういう人物だぞ。

品性が全体的に足りない。まったく。悲しくなるよ。

頭の中で考えるだけなら自由なのだから言葉に出すか出さないかは自分の選択だ。言葉を雑に扱うんじゃない。わからなかったら調べる。思い付かなかったりしっくりこなかったら、考えるか、言わない。発信しない。

 

おわり。