実在する人を物語化すると非実在化してしまうのではないか。
実在する人間はただ生きていて、人>物語の状態。
非実在の存在は、物語に要請されて生まれているから人<物語の状態。
人を物語化すると、非実在に存在が近付く。
人を物語から離すと、実在に存在が近付く。?
これはちょっとどうなんだろう。なかなか例を見ない。
一定の物語に乗せない、という点では、初音ミクなどのVOCALOIDのことを思い浮かべる。あれも若干の設定は共有されている。でもピノキオピーの『君が生きてなくてよかった』のような曲も作れる。
ただ、在る。を考えるのはちょっと難しいのかもしれない。
ただ、在る。を受け止めるのは。
物語化が希求するもの。物語化をしようとする時、生まれるフィクションのことを実在のものとして受け止めようとすること。は、怠惰か。目逸らしか。
実在か。非実在か。
物語は、素敵だ。
非実在と実在の呼応。
非実在を、愛でる。
実在は、果たして愛でられるだろうか。
恋、とは、世界で一番大きな物語化なのかもしれない。
わからないけれど。
非実在存在を愛でるための条件はそう多くない。から容易だ。
実在存在を愛でるための条件は、それなりに必要で、複雑で、だから。
“物語化することで非実在化する?”
愛を惜しみなく与えるのはちょっとリスキーだから。
非実在、愛してるよ。
非実在存在にされた実在存在の、行方。
ただ生きているだけの人間が、この社会をつくり動かしている。